【レオス・カラックス監督作】映画『ポンヌフの恋人』②──エンディングについて、そして橋とポエムとアレックスのアレ【アレックス青春三部作】

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感想と思い出、あとアレックスの○ンコなど

 レビュー①のほうでも書いたように、私の場合は『ポンヌフの恋人』が最初に見たレオス・カラックス作品でした。

 ですのでこれより前の2作は後追いになるのですが、当時の年齢的には『ボーイ・ミーツ・ガール』のアレックスよりもおそらく若かったこともあり、何と言うか……まぁすぐに感化されてどハマりしてしまったんですね(笑)。

 今年の夏にMBTIというものを知り、自分の性格タイプがINFJ(ただし診断結果ではINFPと出ることがかなり多い)というものであることが分かった今、自分のような内向×直感×感情タイプの人間が「アレックス青春三部作」にハマったのもそりゃ当然だわな……というのがここにきて改めて証明されたのでした。

 

(MBTIとは? という方はこちらにそれ関連の記事を書いていますので宜しければご参照ください)

 無料の診断サイトや解説系のまとめサイト、さらには著名人や映画などの登場人物のタイプもわかるデータベースサイトなども記事の中にリンクを貼ってあります。

 

 で、当時この『ポンヌフの恋人』を見てポンヌフという橋自体にも興味を持ち(他の2作品にもこの橋は登場するので)、なかでもあの半円形の軒先?みたいな部分に妙に魅かれました。

 実にパッとしない暗い20代前半の日々を送っていた私(笑)は、ミニシアターでの映画鑑賞(もちろんほぼおひとり様)が趣味のひとつでした。

 これもレビュー①のほうで書いたように、日比谷から銀座~東銀座あたりの界隈にある映画館によく行っていたので、映画を見終わったあとに築地やその先の月島のほうまでよく散歩したりしていたものです。

 水辺の街が好きだったのですが、月島周辺の川沿いの眺めはとくにお気に入りで、それから数年後には月島に住むことにもなるくらい個人的に好きなエリアでした。この界隈はタワマンと周辺に架かる橋の夜景なんかももちろん魅力ではありましたが、それよりも中央区という都会のど真ん中にあのような離れ小島の別世界があるということが、まるで映画の舞台のようでたまらないものがあったんだろうと思います。まぁこういう見方は完全によそ者の視点で、代々住んでいる地元の方々にしてみれば「何言ってんだこいつ」といったところなのでしょうけど(笑)。

 それで話を戻すと、月島まで歩くときはおもに築地から勝どき橋を渡るのですが、あの橋にもあの半円形の軒先みたいなのがあるんですよね……。

 あのロケーション、あの眺め、歴史ある重要な橋という位置付け、そしてそこにある半円形のあれ……。最初にそこに気付いたときは「こ、これはーッ!?」と。

 だから何だよって話ですが(笑)、当時は勝手に自分の中で勝どき橋を「日本のポンヌフ」だと思っていて、それ以降あそこを渡る度に映画を思い出したりしていたんですよね。。

 そういえば今さらここで説明する必要もないくらいに知られていることと思いますが、「ポンヌフ」という名前の意味は

 

pont=橋

neuf=新しい

 

 ということで「新しい橋」、つまり「新橋」なんですよね。ちなみにフランス語と同じく西ロマンス語に属するスペイン語だと

 

puente(プエンテ)

nuevo(ヌエヴォ)

 

 となり、やはり似ています。パリで一番古い橋なのに「新橋」という名前である、というのもこの映画がきっかけで知った雑学のひとつです。

 勝どき橋からもそこまで離れていない(自分の場合は築地〜新橋間なら普通に歩いていく距離)新橋にある「カフェテラス ポンヌフ」もまた有名なお店だそうで、私の場合はやっぱり映画繋がりでその存在を知ったわけですが、世間的には老舗の有名店として知られているとのこと。

 

 

 ところで、この映画にはストーリーととくに関係ないところでちょっと目についた箇所がいくつかあったのでそれも書いておこうと思います。

 そのうちのひとつは、まるで子ども向けに身振り手振りで状況を分かりやすく説明している場面。

 『ポンヌフの恋人』では主人公たちが「面倒くさい台詞回し」をほとんどしていないという点については既に書きましたが、このシーンはホームレスという設定を抜きにしても描写が分かりやすいものになり過ぎていて「これは流石にベタすぎるのでは…」と思ってしまった場面です。

 水上スキーをするために酔っぱらったボートの係員を襲うシーンで、うとうとしている係員のうしろでミシェルがアレックスに

 

「あんたはあの男のヘルメットを持ち上げて。そのあとで私がこの瓶で頭を殴るから」

 

 という段取りをジェスチャーで伝えているところです。さらにそれをやろうとしたらミシェルが振りかぶった瓶をうしろにすっ飛ばしてしまい、急遽アレックスの頭突きで係員を気絶させるという、コントのような展開へと続いたあの場面です。

 過去2作でもややコミカルなシーンは出てきましたが(例えば赤ちゃんや幼児が出てくる場面など)そういうのとは全く違ってとにかく「ベタ」なんですよね。まさにコントの手法というか。まぁいいんですけど(笑)。

 そしてもう一つは、海を見に行った青春真っ盛りなふたりが夕焼けをバックにお互いの名前を呼び合いながら波打ち際を走るシーン。

 いやいやカラックス映画という前にフランスを代表する新進気鋭の監督による作品にしちゃあ流石に恥ずかし過ぎないか? と一瞬思ったりもするところですが、よく見るとこの場面、ふたりとも全裸でしかもアレックスは思いっきりチン○をおっ立てた状態で青春走りしてるんですよね(笑)。

 しかも途中でミシェルがそのピンコ立ちしたナニを陸上のリレー競技でバトンを受け取るときみたいに走りながら握ってみたりするんですよね(笑)。

 ドニ・ラヴァンの○ンコは後に他の映画でも見ることになりますが(どうでもいい情報w)小さい身体とは不釣り合いな立派なものをお持ちのようで、やっぱり西洋人は違うなと…

 っていうかこのシーンって割と長回しな場面だし、いつ頃の季節に撮影しているのか知らないけど日没前の海だから夏じゃなければそれなりに涼しいと思うんですが、エロいシーンでもないのによく持続させたなと(笑)。

 まぁシルエットでしか見えない場面ですので本物ではない可能性もなくはないけど、この人たちだったらたぶん本物だろうなと予想しています。

 

 えっと、このままだと品のない話で終わってしまうのでもう少しだけ続けます(笑)。

 

 最後に書くようなことでもないのですが、この映画が完成するまでのドタバタについてパンフレットに書かれていたものを引用して紹介します。

 

 

<パンフレットより>

「ルポルタージュのようにすばやく撮影したい」という監督の予定は、最初から大幅に狂ってしまった。パリ市からポンヌフ橋を借り切って撮影に入る直前、主演ドニ・ラヴァンの思わぬケガでロケが不可能になる。再度のロケ許可が下りないため、夜間シーン用だったモンプリエ郊外ランサルグのオープンセットを急遽、本格的セットに変更。セーヌ川、近くの橋、印象的なサマリテーヌ百貨店とコンフォラマの建物をふくむ両岸の建築群を10ヘクタールの広大なひまわり畑に建てはじめた。しかし底なしの資材と人件費で2つのプロダクションが破産、そのたびに制作は中断し、権利関係はこみいり、嵐でセットはつぶれ、低予算で作ろうとした監督の意に反して総制作費は肥大化の一途をたどっていった。

 

 

※88年7月28日から8月15日にかけて、橋の交通を全面遮断しての撮影にパリ市から許可をもらっていたが、親指の腱を切る怪我をして5週間のドクターストップがかかる。(季刊カイエ・デュ・シネマ・ジャポン1992年第3号より)

※ちなみに英語版Wikipediaでは8月18日まで、となっています。

 

 そういえばYouTubeでこの壮大なセットが建設された場所を映した動画があって結構貴重な映像っぽい感じがするんですが、何分フランス語が全く分からないし字幕もついていないので何を言っているのかさっぱりわからなくて見ていて逆にモヤモヤしました(笑)。

 なんにしても、ハリウッドの大作映画じゃあるまいしあのポンヌフとその周辺の街並みをまとめてセットで作ってしまうというのがまず凄過ぎる話で「そりゃ頓挫しまくるわ」と突っ込みたくもなりますが、その甲斐あっての素晴らしい作品となっていますので、映画を見る側としてはカラックスが当初言っていた「ルポルタージュのようにすばやく撮影」した映画にならなくて良かった、とつくづく思います。やっぱりあの花火から水上スキーまでのシーンの迫力と高揚感は本当にすごいものがありますからね。

 

 

 もしまたいつかリバイバル上映されるようなことがあればぜひ劇場の大画面(と言ってもミニシアターでしょうけど)でもう一度見てみたいです。

 

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