「マニック・ピクシー・ドリーム・ガール」について
前述のWikipediaのリンクに書いてあることですが、この「マニック・ピクシー・ドリーム・ガール」というフレーズは
「マニック」=躁病的な
「ピクシー」=小妖精
「ドリーム」=夢
「ガール」=女の子
という4つの単語からなっていますが、これだけで何となく想像がつきますね。個人的にも「なるほどね~」と思わず膝をぽんと打つような良く出来たフレーズだなと思いました。
そしてその定義としては、
とのこと。(以上Wikipediaより)
わかる。
わかるぞー。
他の作品での「マニック・ピクシー・ドリーム・ガール」に該当する女性の一覧や、一見「マニック・ピクシー・ドリーム・ガール」っぽいけどそうではない例、またこのフレーズを考えた人がのちに撤回したことなどもWikipediaに書かれていて、本当に面白いのでしつこいようですが見てみてください(笑)。
マニック・ピクシー・ドリーム・ガールとは(Wikipediaへのリンク)
男性に都合のよいキャラ?
さて、この「マニック・ピクシー・ドリーム・ガール」とされる女の子ですが、今作のクレアがまさにそれであるように、相手を振り回すような行動を取ってはいつつも、基本的には常に男性の(スケジュール的)都合に合わせて出てきてくれるし、落ち込んでいる相手を勇気づけ人生の導きとなるような役割を果たすも、相手の男性から同様の恩恵を受けることはほとんどありません。
一方的に相手の助けになる役割であり、自身の都合や問題などに対して相手の男性が助けになってはくれず…っていうかそもそも彼女が抱える問題(大なり小なり誰もが問題のひとつやふたつは持っているもの)そのものにフォーカスされること自体ありません。クレアの場合もかろうじてビルという男の存在が会話の中に少し出てくるだけです。
そんな感じで「男性にとっては夢の中に出てくるような理想の女の子」であるマニック・ピクシー・ドリーム・ガールですが、これほど男にとって都合の良いキャラ設定というのは、女性の立場から見たらちょっと納得がいかないと思う人が結構いるんじゃないかという気がします。いつかこれを見た女性にマニック・ピクシー・ドリーム・ガールについて、もしくは今作のクレアという女性について、どう思うか聞いてみたい(笑)。
ジェスのバンドと色々な演出小物
エリザベスタウンに住むドリューの従兄弟・ジェスは元バンドマンで小学生低学年くらいの子どもがいるが、親として躾をちゃんとしようという意識がなく、息子とは友人のような関係でいたいと思っている男。
ジェスの父親は「子どもが子どもを育てている」と嘆き、本人にも「父と息子は友達にはなれないんだよ」と諭すもジェス本人はまるで聞く耳持たずといった様子。
ドリューは双方の板挟みにあう立場となりますが、距離の取り方が上手いのかそもそもあまり関心がなさそうなのが良いのか(笑)、どちらともうまく付き合ってジェス一家にとっていい潤滑油のような存在になっていました。
そんなジェスはかつてバンドを組んでいて、彼らのバンドが出演するはずだった『デイトナ・サマーフェスト2000』というロックフェスの出演者が豪華で目を引きます。(「トラブって中断し、それっきり」とのことなので正確には一応出演はしたらしい)
ポスターにはオアシス、エアロスミス、ブルース・トラベラー、ジェームズ・ブラウン、アイザック・ヘイズ、トーリ・エイモス、ベン・ハーパー、クラフトワークなどの豪華なラインナップが名を連ね、その下に彼らのバンド「RUCKUS」の名前が。
なお彼らのバンドが出演するステージでのメインは「レゲエ・トリビュート・トゥ・トム・ペティ」。細かいなぁ…
その架空のフェスのポスターが気になったので調べてみたら、映画の中の様々なデザインや小物(ドリューの靴が表紙の雑誌やチャックとシンディーの披露宴ポスター、空港のポスターやファーマーズマーケットのペナントなど)を制作しているデザイナーのHPを見つけました。(※当初HPのリンクを付けていたのですが404になってしまったので外しました)
他にも『ファイト・クラブ』『トゥルーマン・ショー』『ワイルド・スピード』『フォレスト・ガンプ』『ドリーム・ガールズ』『ランナウェイズ』『あの頃ペニー・レインと』『ツイン・ピークス:The Return』などなど、実に様々なデザインや劇中に出てくる写真の製作などを手がけている方のようで、それらを見ているだけでも楽しめると思いますので興味のある方はどうぞ。非インタラクティブ(スマホやタブレットで見た場合にそれ用にレイアウトが切り替わらない)なサイトで、URLもhttpsではなくhttpというところがキャリアと歴史を感じさせます…
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