根拠となる心理機能の組み合わせについて
心理機能の違いでも分かるように、INFJとENFPは見事なまでに反対の要素で構成されているタイプなので、同じ考え方をして同じ結論へと向かう、というわけではありません。お互いの意見には結構大きな違いがあったりするのですが、それでも
第一機能:直観(N=iNtuition)
第二機能:感情(F=Feeling)
第三機能:思考(T=Thinking)
第四機能:感覚(S=Sensing)
という並びがピタリと合致しているため「物事の受け取り方」と「それについての判断と意思決定」に使う機能が一緒で、
受け止める方向は違うけど、受け取り方は似ている
決める方法・方向は違うけど、決めるための基準は似ている
という共通点があるから心地良さを感じるのかもしれません。
この上位機能の共通した働きはこうやって文字にして起こしてみると、改めてその重要性が分かってきます。
「目に見えないもの、目に映るものの背後にあるものを見る感受性」
で取り入れた情報を
「社会的な基準ではなく自身の心の善し悪しで決める」
という性格同士だから相性が悪いわけがないというか。このふたつって大事ですよね。
そしてそんな共通点がありつつも、外向・内向がまるっきり逆なので、お互いに「似て非なるもの」というか、
自分にはないものを相手が持っている
という感覚を抱く関係のように思います。少なくとも私は自分の友人を含めてENFPの人たちに対して、そのように感じています。
この「まるっきり逆」ということは、心理機能的には意識下で働く4つの機能と、無意識下で働く4つの機能(ブラインド・スポット)がそれぞれ相手と対の関係になっている、ということです。(下図参照)
第5〜第8機能の役割とか影響といったものは、海外の記事や動画も含めていろいろ読んだり見たりしているのですが、正直なところ「それだ!」と完全に腑に落ちるような理論には当たっていません。トリックスターがどうとか悪魔がどうとかいうのも間違っているとは言いませんが、無意識下の領域で起きていることを枠にはめて言語化することは果たして正しい理論となりえるのか?という疑問もあります。
ですのでここでは漠然と、
影に隠れている「もうひとりの自分」という存在が、相手の性格パターンである
と考えることにします。だから決して同じではないけども何故か惹かれるものがあり、自分との違いを不快に感じることもあれば、逆にその違いを自分には備わっていない長所として捉えることもある──という感じでしょうか。
共通する部分
外向・内向が逆ですが、心理機能の順番が同じということが及ぼす影響として、まずは土台としてお互いに
・過去よりも未来に目が向いているので会話の方向が前向きである
→昔の話ばかりするとか、以前にもした同じ話を繰り返すということがあまりない
→先のことや今後の可能性の話を好むので、現状や過去のマイナスな体験を話題にしてもそれをポジティブな方向へ結び付けようとする
・人としてそこは最低限大事にすべきだろう、という倫理観や価値観に共通するものを感じるので信頼できる
→根本的に相手に失礼なことをしない(皮肉を言い合うことはよくある)
→人の悪口や陰口もあまり言わない(これは人によりますが)
→お互いの知識や得意分野の話をたくさんするが自慢はしない(自慢するようなことだとは思っていない、または相手に対して何か自慢しようという考え自体がそもそもない)
・現実主義、唯物論者ではないので変わり者扱いされそうな話題も話せる(とくにINFJ側がw)
→空想の世界や非科学的で精神世界系の話題、映画や小説などの深い考察、音楽やアートなどの話で盛り上がれる(自分の考えと合っていなくても話は膨らんでいく)
といったような共通するプラスの面を持っているように思われます。
これだけでも自分としてはすでに楽しいんですが、それと同時にINFJが持ち合わせていない(または出来ない)多くのことをENFPはナチュラルにやっている/持っている、ということを純粋にすごいなと思い、それを魅力として感じたりもします。例を挙げるとこういうところが魅力的に映ります。
・フレンドリーさがもたらす人脈の広さ(というか明らかに人気がある)
・感情表現が豊かで臨場感のある話し方
・幅広い知識(狭く深くという意味ならINFJのほうが得意かも)
・臨機応変に対応できる柔軟さ
・人生を楽しもうとしているように見える
・自由さが感じられる
こういった面はINFJにとってはどちらかというと苦手としている要素なため、魅力的に感じられます。
初めて行く場所でも人に対して明るくフレンドリーに接することはINFJも出来るんですが、それは決して好きでやっているわけではなく「自然とそうしてしまう」「そうしないと場の空気が悪くなるから/あとあと気まずくなるから」という理由でやっているので、後でどっと疲れてしまいます。
それにそういった空気はおそらく相手にもある程度伝わるものと思われ、フレンドリーに接したはずなのに次に会ったときにその相手が全然気さくに話しかけてこない、ということがよくあります(笑)。スモールトークが苦手なINFJですから、相手も気軽に話しかけやすいタイプだとは感じないのでしょうか…。常にこちらが最初に動かなければ相手が心を開いてくれないというのは地味に落ち込みます(笑)。まぁ半分冗談ですが。
INFJの場合は「真面目な話や他の人にはあまり言えない話を親身になって聞く(そしてそれを他者に漏らさない)ことで、相手が心を開いてこちらを信頼してくれる」という関係の築き方が性に合っていると思いますので、どちらが良い・悪いということではなくあくまでも特徴の違いの話なのですが、それでもENFPのオープンなパーソナリティは魅力的です。
またINFJは表情筋がやや硬いというか、熱く語る場合でも表情や身振り手振りによる臨場感だとか再現度の高さといったものはあまりなく、自分の素のキャラクターのまま話し続けるタイプですが(その割には笑い話が好きなので淡々とジョークをかましたりします。ゲームに例えると黙々と時限爆弾を置いていくボンバーマンみたいな感じ?w)、ENFPは普段の会話でもまるで役を演じる俳優のように、話している内容の喜怒哀楽やテンションに合わせて表情と身体の動きをふんだんに使ってそれを表現するので実に臨場感があります。
例えば以前あったことをこちらに説明するときなどでも、その当時の様子を感情ごと再現して喋るので、古い話でもまるで今起きたことのように伝えられる──という点が本当にすごいなと感心してしまいます。
臨機応変さとか自由さについては、ESFPなど他のP型タイプにも当てはまりそうな点なのでここでは掘り下げませんが、あの感情表現の豊かさとテンションを持ちながらも(「も」っていうのが適切かどうか分かりませんが)直観が主要機能で感情が補助機能であるということがINFJと「合う」という理由なのではないでしょうか。
補助機能に「感情」を持つ外向型はENFPとESFP(ともにFi)ですが、ESFPの主要機能は「感覚(Se)」なので、空想や可能性、創造性を軸とした話題を共有して盛り上がる、ということは少ないのかもしれません。
また主要機能に「直観」を持つ外向型はENFPとENTPですが、ENTPは補助機能が「思考(Ti)」なので、Neで受け取った情報を思考で判断するタイプです。(相手が好むかどうかはともかく)都市伝説やオカルト、ミステリー系の話題で謎解きや辻褄合わせの議論とかをやったら面白そうですが(たぶんこちらが感心しながら聞く展開なんじゃないかと…)、人生についてや物事の価値観、理想とするものや将来のことについてなどを、心や感情から湧いてくるモチベーションで語れる相手のほうがINFJとしてはより充実した会話になるように思います。
気持ちが入った言葉で人の感情を良い方向に動かしたり、逆にこちらが心を動かされる──そんな実のある会話をするのが私は好きです。
海外のとある動画でうまい表現だなと思ったコメントがありました。
INFJの内側にはENFPがおり、ENFPの内側にはINFJがいる──
なるほど………
自分の考えとは合わないかもしれないけど、それは自分の中にあるもうひとつの可能性だったり、実は無意識下で欲していることだったりするのかもしれませんね。
このような「もうひとりの自分」の関係になる組み合わせを見ていくと、なるほどと思う組み合わせもあれば「そのふたりは相性がいいようには見えないんだけど…」という組み合わせもあるように思えます。INFPとENFJが相性がいいようにも見えないし、ISTPとESTJ、ISFPとESFJ、INTPとENTJも然り……。まぁ実際どうなのかは分かりませんが。。
comment