その70 「(君は)どこへ行くの?」
¿Adónde vas?
アドンデ バス?
((君は)どこへ行くの?)
今回から数回にわたって、友達に対して
「どこへ行きたい?」
「何をしたい?」
「何をするつもり?」
というような「未来の行動に対する質問」を取り上げていこうと思います。
まだまだ終息への道は遠いものの、欧州では長い隔離生活からの解放が少しずつ始まっているこの頃。
以前のように…とはいかないまでも、また外に出かけられるようになったら
どこへ行くつもり?
何がしたい?
といったようなことを希望を持って語り合う時期なのかもしれません。
抜本的な解決は全くしていないので、この緩和がこの先どのような結果をもたらすのかは分かりませんが、とりあえずこれを書いている今はこういった会話をしたくなる頃かなということで。
今回の「どこへ行くの?」は、日時や時期などの指定がとくになければ「(これから/今から)どこへ行くの?」といったような、直近のニュアンスで使われる場合が多いのかと思います。
「君は」というように友人や恋人など、対等な関係・親しい間柄の相手に対してのフレーズとしていますが、これを「あなたはどこへ行かれますか?」と、ビジネスの相手や敬語で話すような関係の方への言い方であれば、
¿Adónde va usted?
アドンデ バ ウステッ?
((あなたは)どこへ行かれますか?/どこへ行くのですか?)
となります。「君は」というように親しい関係なら「君は」を意味する「tú」(トゥ)は省略して全く問題ありません……というか「あなた」に対しても省略して構いませんが、
(敬語で接する相手なら最後まで丁寧に……)
なんてことをいちいち考えるのが私たち日本人ですから、「あなたは」を意味する「usted」(ウステッ)は略さないで入れたほうがきっと気分的に楽でしょう(笑)。
ちなみに「彼は」「彼女は」「○○(名前)は」も「あなたは」と同様に
¿Adónde va ○○?
アドンデ バ ○○?
となります。
「彼」であれば「él」(エル)
「彼女」であれば「ella」(エジャ)
○○さんであればそのまま名前を後ろに入れます。
¿Adónde vas?(アドンデ バス?)としていますが、最初の「A」(ア)を抜いて
¿Dónde vas?(ドンデ バス?)としてもOKみたいです。スペイン語圏の歌とか聴いていてもこの「A」(ア)を抜いた「¿Dónde vas?」(ドンデ バス?)というフレーズはよく耳にしました。
さらに細かいことを言うと「Adónde」も「A dónde」と分けて表記したりもするので、習いたての頃などは少し混乱したりするのですが「どこ」を意味する「dónde」に「…へ/…に」という方向や到達点を示す前置詞「A」がくっついて「どこへ」という単語になった、ということが分かれば特にややこしいものではないみたいです。
「(君は)どこへ行くの?」ではなく
「(君は)どこから来たの?」と言いたい場合は、No. 016の「君はどこの出身?」でも使った
¿De dónde ~~?
デ ドンデ ~~?
を使って、「行く」の代わりに「(~~から)来る/やって来る」という動詞「venir」(ベニール)の2人称直接法現在形「vienes」(ビエネス)を使って
¿De dónde vienes?
デ ドンデ ビエネス?
((君は)どこから来たの?)
と言います。「…から」という出発点を示す場合は前置詞「de」(デ)になります。
No. 016の「君はどこの出身?」が¿De dónde eres?(デ ドンデ エレス?)となるのは、普遍的な性質のbe動詞「ser」(セール)の2人称直接法現在形である「eres」(エレス)が「君は~~である」という意味であることを踏まえて
「どこで君(という存在)になったのか?」
↓
「どこで生まれたのか?」
↓
「どこの出身なんだい?」
という意味になるのでは…と思います。合ってるかどうかわかんないけど(笑)。
出身を尋ねるのではなく「どこで生まれたの?」と「生まれた」にフォーカスして質問するときは
¿De dónde naciste?
デ ドンデ ナシステ?
((君は)どこで生まれたの?)
と言います。「生まれた」という、ピンポイントな過去のある時点で起きた出来事なので「点過去」という動詞の活用となります。
…って何度も同じことを書いていて本当に恐縮ですが、こういった文法の話なんてまるっと読み流してくださって構いません。
ここはちゃんと勉強したい人向けのサイトではなく「丸暗記でいいからどにかく使ってみたい」人向けですので(笑)。
画像の中の文字で、黄色い箇所やアクセント記号付きの文字(é、áなど)が強く発音するところです。
…が、相手への問いかけだったり文脈の流れ、強調の具合などのニュアンスによって変わってきたりしますので、必ずしもこの通りとは限りません。
さらにこのシリーズを作っていて、少しずつその辺が統一されなくなってきましたので(笑)、イントネーションの強弱ポイントにつきましてはあくまで参考程度として見ていただけると嬉しいです。
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