その17 「(私は)日本出身です」
(Yo) soy de Japón.
(ヨ) ソイ デ ハポン
((私は)日本出身です)
前回のように「¿De dónde eres?」(出身はどこ?)と聞かれて、「私は日本出身です」と答える場合に使います。
「¿De ~?」と聞かれているので、答える場合も「de ~」を使います。「日本」という意味のスペイン語は「Japón」で、読み方は「ハポン」です。「ハ」の発音は本当はちょっと難しいのですが、普通にカタカナ発音で「ハポン」と言って通じますので問題ありません。
※「Yo」を省略することについては「その7」や「その15」で説明しています。
「Japón」(ハポン)という国名を名字に持つ人々がスペインに数百名いることはご存知でしょうか。
伊達政宗の命を受けた家臣の支倉常長が、遣欧使節団としてフランシスコ会宣教師のルイス・ソテロら乗組員180名とともにガレオン船サン・ファン・バウティスタ号に乗って、1613年(慶長18年)に宮城県石巻市からメキシコ・アカプルコを経由してエスパーニャ(現スペイン)やローマへと向かいました。
出航したあと日本が鎖国政策を取ったことや、伊達政宗が日本のトップではなく一武将であったことなどもあり、通商交渉は成功せず数年間の滞在ののち常長は帰国。しかし帰国せずにエスパーニャで最初に上陸した地である、セビージャのコリア・デル・リオ(Coria del río)という村に残った日本人もいて、彼らの子孫がハポン姓を名乗るようになったと考えられています。
※ただし現時点での研究によれば、DNA解析に協力したハポン姓を持つ数十名の人たちからは、日本人に由来すると考えられる結果は得られなかったとのことで、現在は新しい手法による解析が期待されているとのことです。またスペイン語で「韓国・朝鮮」は「Corea」(コレア)ですので、「コリア・デル・リオ(Coria del río)」の「コリア」は全く別の単語になります。
石巻市には復元されたサン・ファン・バウティスタ号と、多くの資料が展示されている「宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン・パークまたはサン・ファン館)」という施設があるのですが、2011年3月11日の東日本大震災による津波の被害を受け、多くの展示物が流失し、施設の建物も破壊されました。
サン・ファン・バウティスタ号も何度も押し寄せた津波による影響で腐食が進み、現在では乗船は禁止され、今後は解体されることが有力視されているそうです。震災前と震災後の施設や船の写真も撮ってあるので、もしかしたらこのサイトにUPするかもしれません。
画像の中の文字で、黄色い箇所やアクセント記号付きの文字(é、áなど)が強く発音するところです。
…が、相手への問いかけだったり文脈の流れ、強調の具合などのニュアンスによって変わってきたりしますので、必ずしもこの通りとは限りません。
さらにこのシリーズを作っていて、少しずつその辺が統一されなくなってきましたので(笑)、イントネーションの強弱ポイントにつきましてはあくまで参考程度として見ていただけると嬉しいです。
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