【ビフォア三部作】映画『ビフォア・サンセット』──熱望していた続編が完璧だったという喜び

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 1995年公開の前作『恋人までの距離<ディスタンス>』(以降は『ビフォア・サンライズ』と表記します)から9年、日本での公開はそれからちょうど10年後の2005年、ついに待ちこがれていた続編『ビフォア・サンセット』が公開されたのでした。

 

 いやー、完璧。そして最高。オープニングのカットから「あぁぁ~っ!」と高揚させられ、あんな最高なエンディングがあっていいのかと、心の中では拍手喝采の鳴り止まないスタンディングオベーションでした。

 

 

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前作からここまで

 「結局、ふたりはどうなったのか」を描かず、観る者の判断に任せるような終わり方をする恋愛映画は、それが良作であればあるほど結末を知りたくなるものです。

 恋愛ものに限らずですがヒットした作品の続編というのは難しいもので、そのハードルはぐっと高くなります。そして変なテコ入れがされたりキャストが変更されたり急に世界観がデカくなってしまったりと、明後日の方向へ行ってしまうことも……

 ですがこの所謂『ビフォア三部作』に関しては、監督のリチャード・リンクレイターと主演のふたり、イーサン・ホークジュリー・デルピーの3人で『ビフォア・サンライズ』の撮影当時から続編について話し合っていたそうで、前作の公開後もメールでジェシーとセリーヌの台詞について1年くらいやり取りを続け、ジュリー・デルピーが40ページにも及ぶ台詞を送ってきたことをきっかけに本格的に企画が始動した、というような経過を辿って作られた作品──というところからして他の映画とは軸の太さが違います。

 つまり監督と主演の3人とも、ジェシーとセリーヌをずっと自身の中に残していて、そのふたりから生まれる言葉や物語を(本人たちによって)大事に育ててきた作品、ということになるので間違いようがないのかもしれません。

 役者にとってこういったキャラクターは数多く演じた役の中でもきっと特別で、ある意味で自分の一部分であり自身の物語でもあったりするものなのでしょうね。

 

 今回書きたいことが多くて長くなったので、監督のことや個人的に大好きなジュリー・デルピーについての思い入れなどは割愛しました(笑)。一応ジュリー・デルピー出演作は現時点では『トリコロール 白の愛』について感想を書いていますので、よろしければそちらもどうぞ。

当時のチラシ(表)

 

【トリコロール三部作】映画『トリコロール 白の愛』──“平等な愛”というものは存在するのか【BLANC】
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