珍妙な人とサービスショット要員
続いて、35歳のオリビアさん(仕事用の名前なのでしょう)という、カップル向けのセックスカウンセラーをしている女性が登場します。もちろん日本人です。
セックスカウンセラー。
いますいます。私もよく確定申告の無料相談に行ったときに隣のブースで「職業はセックスカウンセラーです」なんて言ってる人をよく見かけますし、ポイントサイトのアンケートなどで職業を選択するときにも職業欄に普通に書いてありますから今の日本では珍しいものでもなんでもないですよね。
…失礼しました。
彼女は友人の建築家にとあるマンションの1室を「カップルの欲望を刺激するような」居住空間にリノベーションしてもらい、それを提供しています。ですがこのリノベーションされた部屋がどうにも珍妙なのです。
せいぜい1DKか2DKくらいしかない間取りで、そのDK部分のキッチンとベランダの間に木の蓋に覆われた謎の長方形のスペースがあります。
何かと思えばそれは大きなバスタブで、そこでカップルが共に入浴することで親密度を高めることが出来るのだそうですが……湿気はどうするのでしょうか。キッチンの小さい換気扇だけじゃどうにもならないと思われますし、窓を開けたら向かいの建物から見られてしまいます。
追い炊き機能とかもなさそうだし、湯加減とかどうするんだろう……というかそもそも邪魔なのでは?
そしてさらに珍妙なのが、そのDKの真ん中にはポールダンス用のポールがぶっ刺さっているのです。。。ポールダンスをやっている人が自宅で練習するのであれば十分役に立つと思いますが、カップルが気分を盛り上げるためだけにそんなものを使うでしょうか…。ポールダンスって素人が真似してみたところでまともに出来るはずもないですし、頑張ってやったらやったで筋肉痛になって親密度どころではなくなりそうですが。。
手前右の女性がオリビアさんで、ぶら下がっている珍妙な男性が建築家。くるくる回ったら家具にぶつかりそうなもんですが…。それによく見たら天井低くてほとんど意味なさそう。。
欧米の人たちの間には日本のような「察する」という文化がほとんどないと言われます(私も実際に幾つかの国の人に聞いてみましたがそれは間違いないようです)。その中でもとくにドイツは物事をはっきりとズバズバ言う国民性、逆にいえばはっきり言わないと意図が伝わらない人たちとして有名らしいので、何の注釈・解説もなしにこのようなものを見せられたらこういったものが日本の標準だと思われることでしょう。台所の脇にむき出しの浴槽がある家がこの日本にいくつあるっつーんだよ(笑)。バカか。
続いてオリビアさんの仕事の様子が映されます。彼女のサロンにやってくるナオコさんは3年間オリビアさんのカウンセリングを受けていて、現在は彼氏もいるとのこと。オリビアさんは顧客が安心し心を開いてカウンセリングを受けられるように、オイルマッサージを施術しながら話し合います。
このシーンと、その後に流れるオリビアさんの女友達との公園での会話は、日本の現状をかなり的確に伝えていて、そこは評価できるものでした。話されていたのはだいたいこんな感じです。
・日本の少子化は結婚率の低さからくるもので、未婚の出資率はわずか2%であること
・日本人の生活が経済的に余裕がないため男性は経済的責任を負うことに恐れており、そのため婚期や出産の時期が遅れたり間に合わなくなったりしている
・みんな今現在の自分の生活で一杯一杯である
ですがすでにこの番組を斜めから見ている私のような人間(笑)には、この場面は単に
オイルマッサージを受けるナオコさんの背中からお尻(の上部まで)を舐めるように捉えるサービスショット
でしかないように感じられました。
映画では、上映から1時間前後くらいで観客が飽きて帰らないようにお色気シーンが差し込まれるというのが昔からのお約束であり、当たり前のものでした。オープニングからお色気に頼る映画やドラマもよくあります。
このシーンはこのドキュメント番組のちょうど真ん中くらいなので、きっとこれもそのような意図があったのではないかと。実際、シミだらけで鮫肌の欧米人の背中よりもナオコさんの肌は白くて美しいので、その効果はきっとあったことでしょう。番組紹介でもこのシーンを使ったに違いない(笑)。
まぁとにかく、日本人女性の艶やかな黒髪と肌の白さやきめ細かさが素晴らしいのは間違いありませんので、何でもかんでも欧米の価値観に引っ張られることなく、その本来の魅力に自信を持っていただきたいものです。…って何様だよお前はという話ですがw
さて、こんな感じで全部を紹介していくと長くなってしまうので、比較的仕込み感が薄いものは割愛してあと一人だけ取り上げることにします。
日本の異様さの象徴ともいえる「あれ」
都内に住む結婚20年以上になるタカシさんと彼の奥さんはとっくにセックスレスとなっていますが、彼には愛人がいます。
タカシさんは毎週日曜日にその「彼女」と出かけ、彼女の写真を撮ることを楽しみとしています。一眼レフのカメラとレフ版を持って出かけるあたりに彼の趣味の入れ込み具合が読み取れます。彼女の名前は「サオリ」といい、少なくともタカシさんより30歳は若く見えます。
「彼のガールフレンドはシリコンで出来ているため、時代を越えた美しさです」
「ラブドール」と呼ばれるこの人形は、日本でもますます人気が高くなっています」
………そういうことか。
そりゃあラブドールを買う人がいるのは事実だし、昔からある「その分野の需要」のマーケットの中でのオリエント工業(なのかどうかは不明です。そこしか聞いたことがないので)のシェアはすごいのかもしれませんが、そもそもが超ニッチな世界であることは明らかです。
でもしつこいようですが、こういう番組で紹介されると一般的な日本人がこうだ、とまでは思わないとしても「それなりの数で存在するんだろうな」という認識を持たれる可能性は高いでしょう。
タカシさんは奥さんとの住まいの他に5年前からアパートを借りており、そこに「サオリ」と「メグミ」の3人で暮らしています。奥さんはそこから100キロ離れた田舎に住んでいて、時々タカシさんのアパートを尋ねてくるそうです(笑)。
…えっと、要は単身赴任中にラブドールに目覚めてしまったおじさんってことでしょうか??
奥さんは当初このリアルな人形に怖がっていましたが(ってか怖がった理由はそれだけじゃないだろw)、今は慣れてタカシさんの趣味というか性癖というか生活を容認しているとのこと。いやいやどんだけレアな例を探してきたんだよ……っていうかこれもやっぱり仕込みなんだろうか。
なお「サオリ」や「メグミ」と性的な関係はあるのですか?という取材陣の質問には
「はい、あります」
との回答が(笑)。いやまぁそうなんでしょうけども……そこは察してやれよ。。ってそういえばドイツ人に「察する」は通用しないんでしたね。そして「奥さんはそれについてはもう諦めているのかもしれませんね」とタカシさんは続けます。
もしこれが仕込みじゃなくて本物ならネットやSNSあたりで見つけたのでしょうか……そうじゃなければこんなレアな人にドイツ人が辿り着けるわけがないでしょうし。。でも仕込みだったらラブドールを購入する人についてリサーチし、そういった人たちの特徴をプロファイリングすることで製作側が望むキャラクターを作り上げることはそれほど難しいものはないようにも思えます。設定を作って演じてもらえばいいだけですからね。
「サオリ」たちが作られた工場にも取材しているのですが、会社名から従業員の顔まで全てボカシがかかっていました(笑)。顔を作っているのが数名の女性だったんですけど、もしかしたらメイク系の専門学校とかを卒業してその技術を活かせる就職先がここだった、とかでしょうか……。
…怖ぇよw
全くの余談ですがちょっと面白かったのは、そこの女性のインタビューで「わざと小さな違いを出して不完全な顔にしている」というくだり。なるほど、完璧に左右対称で非の打ち所のない顔だとリアリティがないから意図的に少し崩すことでより本物らしさやオリジナル感を出す、ということですね。大変参考になりました。活かす場はなさそうですが。。
といった感じでVPNを入れてから海外の放送局のサイトでスポーツの試合や大会(今はちょうどサッカー女子W杯はライブ配信されているのでさっそく見ています)を主に見ていますが、たまにこのようなツッコミ甲斐のあるプログラムも見ていこうと思っているので、何か面白いものがあったらまた書こうと思います。
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