映画『クロウ/飛翔伝説』①──原作との関連性、そして今なお支持される魅力の理由とは【ブランドン・リー】

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原作について

 原作のコミックは残念ながら実際に読んだことはないのですが、雑誌『エスクァイア』日本版1994年9月号に今作の特集記事が載っていて、そこにはブランドン・リーが亡くなる1週間半前に行われたインタビューのほか、リー親子の悲劇について、そしてコミックのクライマックスシーンなどが掲載されていました。

 このコミックがたまらなく格好いいので、一部分だけですが取り上げます。ポエティックなセリフに乗せて次々と悪党をブチ殺していくエリックの復讐劇をご堪能ください。

 

セリフの和訳も引用します

夜を見よ。呼び集められし魂の放散へとつながり、夢が現実となる彼女の門。

その門の鍵を差し出す夜を……。

 

すべてが赦免され

聖化され

清められ

悪魔にとりつかれた

この世界は……

やつの内なる樹木の繊維に棲む無数の黒き鴉の洪水のごとく……

最後の大いなる波をもってやつを吞みこみ……

そして……

やつの……

座を奪い……

……やつを殺した

 

ああ、おまえらドブネズミどもは本当に忠実だ。うれしくて、骨まで赤面しちまうくらいだぜ……

俺のために死に続けてくれるなんてな!

コミック『THE CROW』誕生のいきさつ

 原作であるコミック『THE CROW』は、ジェームズ・オバーによって描かれた1989年の作品。

 彼は18歳のとき、飲酒運転をしていたドライバーが起こした事故によって婚約者を亡くすという悲劇に見舞われます。

 その悲しみを克服するために海兵隊へ入隊したオバーは、ベルリンに駐留していたときに読んだデトロイトの新聞のとある記事に強い関心を示し、コミックを描き上げる意欲を強めます。その記事とは、ある若いカップルがストリートギャングに婚約指輪を奪われたのちに惨殺されるというものでした。

(※Wikipediaより抜粋)

コミックのあらすじ

 コミックのあらすじについては、上記の雑誌『エスクァイア』日本版1994年9月号にあったものを引用します。

 映画とコミックの設定の違いや、原作ではカラスがどの時点から関わっていたのか──などが、このあらすじから読み取れます。

 

顔にペインティングを施し、悪夢のごとき街にあらわれたひとりの男。彼の心は復讐に燃えていた。男の名は、エリック。いや、以前はそういう名で呼ばれていたというべきだろうか……。男は、街のギャングの5人のボスを殺そうとしていた。ティン・ティン、トム・トム、トップ・ダラー、ファン・ボーイ、Tバード。男はまず、ティン・ティンを血祭りにあげる。

……エリックは、最愛の人シェリーと幸せに包まれた生活を送っていた。ふたりは婚約を交わし、ある夜、ドライブに出かけた。だが、新居へと帰る途中、クラックでハイになっている5人のギャングたちに捕まってしまう。エリックは頭を撃たれ、シェリーは強姦されたあと射殺される。だが、虫の息のエリックは、その一部始終を見ていた。どこからともなく飛んできた鴉(からす)の「見るな」という忠告を聞かずに。

生死の境をさまようエリックは、鴉から不死身の体を与えられて生まれ変わる。復讐をするために。ひとりひとり、ギャングたちを消していった彼は、ついに最後のひとり、Tバードを追いつめる。

 なおコミックでの設定では、5人のギャングの首領格であり、いきなりエリックに発砲したのも、シェリーを黙らせるために射殺したのもTバードであり、最後は「苦痛に満ちた死」を迎える──とのことです。

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