カフェインを摂取し続けることのデメリットや、カフェイン断ちをして体調や精神状態が大きく変化した人の話などをネットの記事やYouTubeでよく目にします。
私は18歳のときに某喫茶店でバイトをしたことがきっかけでコーヒーの美味しさに目覚め、それ以来ずっとブラックコーヒーを毎日飲む生活を何十年も送ってきました。
20代後半に独立してフリーランスとなり、自宅が職場となったことでコーヒーの摂取量がさらに増えてしまい、多い時期だと一日に7~8杯も飲んでいました。ちなみに昔から大きなマグで飲んでいるので一杯の量も多かったりします。
さすがに4~5杯目くらいからは美味しいとは思わなくて口の中が気持ち悪くなったりするのですが、仕事が回っていて忙しかった頃は普通に夜中~朝方まで仕事をしていたので眠気覚ましになるかと思って日常的にコーヒーに頼っていたのだと思います。
ですが自分の場合はどちらかというとカフェインに対する依存というよりも「コーヒーの味と香り」に依存していたように思います。これだけ飲んでいたにも関わらず、コーヒーが原因で夜に眠れなくなることはほとんどありませんでしたし、風邪をひいたときなどに丸一日飲まないことがあってもイライラしたり落ち着かなくなったりすることもなかったので…。まぁ単純にカフェイン耐性が人より高いだけなのかもしれませんが。
そして現在──仕事が忙しくてコーヒーに頼るなんて日々はもう遠い過去のことなのに、それでも習慣になっていて一日に4杯くらいは飲む生活が続いていました。
カフェイン断ちをしようと思った理由
以前から悩ましい問題を抱えていたのですが、今年の春頃にその問題が大きくなってきて精神的にかなり参ってしまい、それまでは否定していた
もしかしたら自分は軽いうつ状態なのかもしれない
という考えが頭をよぎるようになりました(20代前半で一度うつになったことがあります)。
うつというものは必ずしも外的要因(例えば仕事とか人間関係、金銭的問題など)だけで起こるものではなく、体調面での不安定さなどが最後の引き金を引いてしまうこともあります。それは例えば普段の食事や睡眠の質の悪化、スマホ依存やSNS依存といったようなもの。体調が良い時なら乗り切れたかもしれないことも、身体の調子が弱っていると全てを悪いほうに考えてしまうようになり、結果、限界を超えてしまってうつ症状が現れたりします。
問題となっている事柄の直接の原因にも対応しつつ、メンタルが弱ってしまった体調面での要因は何があるだろうと考えてみたところ、自分の場合は「カフェインの日常的な過剰摂取」が考えられるのでは?という結論に至りました。
いつも何かに急かされているような焦燥感があったり、未来のことに対する不安や心配で全然リラックスできないのは、ひょっとしたらコーヒーの飲み過ぎによるカフェイン依存症が原因のひとつかもしれない、と。
実際、カフェイン中毒はうつ症状や不安、気持ちの落ち込みなどを引き起こすと言われていますし、現在では多くの人が「とりあえずしばらくカフェインの摂取をやめてみる」といった”脱カフェイン生活”を推奨しています。
そしてカフェイン断ちをした方のほとんどが、初めの数日から一週間〜10日くらいの間にひどい頭痛や身体のだるさ、一日中続く眠気やイライラ、といったような禁断症状的なものを経験しているようです。
そしてそれが落ち着くと、今度は逆に頭がスッキリして寝付きも良くなり、メンタルが安定して不安感や焦り、イライラなどが減って心身ともに調子が良くなった──という話をされています。
多いときには一日に7~8杯も飲んでいて、今でも毎日4杯くらい飲む自分がそれをやったらどうなるんだろうと考えるとちょっと恐ろしくもなりましたが、とりあえずやってみることにしました。それが6月下旬頃です。
実際にやってみると…
先ほども書きましたが、自分の場合はカフェインに対する依存というよりもコーヒーという飲み物の味と香りに依存しているようなところがあり、コーヒーを飲むこと自体をやめるのは無理でした。
そこでデカフェ(カフェインレスコーヒー)に替えることにしたのですが、カフェインレスとはいえ100%カフェインを抜くことは出来ないようで数%はカフェインが残っています。それを一日4杯くらい飲んでいたので、それが作用していたのかもしれませんが、私にとってのカフェイン断ちは巷の人たちのような劇的な変化は起こらず、
あれ、こんなもん??
という地味な結果となりました(笑)。
まず始めてから2~3日の間の体調ですが、たしかに頭痛はありましたし、頭が重くてスッキリしないとか昼間もぼんやりして何だか眠い、という感じもあったのですが、そこまで酷いものでもなく自分としては「正直美味しくないけど(カフェインレスの)コーヒー自体は飲めているから普段とそれほど変わらない」という感覚でした。
まぁとはいえ今は仕事的に全然忙しくないし、なんなら生産性のあることを何ひとつしない日だってザラにあるような生活なので、集中できなくて仕事に影響ガー、なんてこともないからダメージを感じられなかっただけなのかもしれません。
とりあえずカフェインレスであってもコーヒーは飲めているので、カフェインによる覚醒効果の有無は正直どっちでもいいかという感じでした。というかそもそもここまでコーヒーの過剰摂取を長年続けてきた自分に、コーヒーを一杯飲んだくらいで覚醒効果が得られるのかどうかも怪しいものです(笑)。
そんな感じで、深刻な禁断症状を経験することもなく、香りがほとんどなく味もぼんやりとした不味いコーヒーに取り替えただけの生活が続いていきました。
一応ポジティブな面も書くと、うつ的症状はもしかしたらある程度軽減されたかもしれません。単に頭を悩ませていた状況が多少楽になった──というか先送りにすることが出来たことで気持ちに余裕ができただけかもしれませんが、とりあえずひと月前の精神状態と比べどうしようもない不安感というのはだいぶ減ったように感じています。
効果があったといえばあったような気もするし、効果はあまりなかったといえばなかったのかもしれません。ただし全く効果がない、というわけではなく、多少なりとも良い精神状態でいられたのは確かです。自分で書いていても「どっちなんだよ」という煮え切らなさは感じております…。
実際、カフェイン云々関係なくどんな食べ物・飲み物でも過剰な摂取は身体に良くないわけですから、コーヒーの摂取を控えただけでも良い変化は間違いなくあるのだろうとは思います。自分の場合、期待していたほど劇的なものではなかっただけで。きっと期待を高く持ちすぎていたのでしょう。
デカフェの味と香りについて
何年か前にもカフェインレスのコーヒーは普段のコーヒーの合間に飲むことがあったのですが、この一ヵ月間はさらに色々なデカフェを試すこととなり、個人的感想ですがどれが美味しい(比較的、という意味ですが)、不味いというのも少しは分かってきました。
普段からコーヒーは豆で買って飲むたびに自分で挽いているのですが、デカフェの場合、ものによっては豆のものよりもインスタントのほうが香りもちゃんとあって美味しかったりするんですよね。(個人の感想です)
たとえば缶が良さげで飲み終わってからも捨てずに残しておこうと思って購入した「イリー(illy)」のデカフェは、見た目の期待感とは裏腹に香りがほとんど飛んでしまっていて美味しくありませんでした。袋に密封されていないのでそりゃ香りも飛ぶわな、という感じ。でもAmazonのレビューを見るとなかなかの高評価のようですので、感想は人によって異なるのかもしれませんが…。私は重症のコーヒー中毒者だからあっさり目で香りが薄いコーヒーは物足りなくて好きではないようです。
豆で買うのであれば、値段は高いですがスタバのデカフェのほうがよっぽど美味しいかと思います。私個人はスタバがはとくに好きではないので自分から買うことはほとんどないのですが、以前飲んだときは思ったよりもちゃんとコーヒーらしい味になっていて感心したものです。スタバのデカフェはミディアムローストと表示されていますが、結構濃いめに挽いてあるのかなという印象です。
あと私が住んでいる地域で展開している、輸入の酒などを多く扱うディスカウントストアで扱っているデカフェ(粉)は、Amazonで買える他のデカフェと比べて値段がかなり安いうえに味もまずまずで、途中からはずっとそれを飲んでいました。まぁそれでも普通のコーヒーよりも高いんですけどね…。ちなみにこちらはカフェイン97%カットだそうです。
スタバのものと比べたら味も香りもやや劣りますが、コスパという意味では断然こちらでした(個人的にコスパとかタイパという言葉は嫌いなんですが)。なおこちらの商品写真は楽天市場のものです。リンク先を見ると値段がずいぶん高くて驚きますが、私はディスカウントストアで500円くらいで購入しています。どういうことなんだろう??
そしてインスタントのデカフェだとUCCの「おいしいカフェインレスコーヒー」というのをよく飲みました。私は詰め替え用を買ってそのまま使っていましたが、口が閉まるタイプのパックでしたので湿気で固まることもありませんでした。こちらはインスタントのコーヒーとしてはちょっと味が薄めなのかもしれませんが(気のせいかも)、十分なレベルで美味しく飲めました。
またネスカフェゴールドブレンドのカフェインレス……の詰め替え(笑)も飲んでみましたが、こちらもインスタントとしては十分な美味しさでした。イリーの豆のやつよりもよっぽど香りが出ているように感じます。もちろん飲み口のスッキリ感という点ではインスタントはドリップコーヒーにはそもそも遠く及びませんけどね。
ちなみにこちらもカフェイン97%カットだそうです。カフェインを90%以上カットしたものを「デカフェ」と呼ぶことができるそうなので、もっとカフェインの含有量が多めのデカフェも世の中にはあるということでしょうか。
逆にカフェインをもっと抜いたものだと99.9%カットしたものもあるようなので、機会があったらそういったものも試してみたいと思います。
カフェイン断ちを終えて
というわけでとりあえず一ヵ月カフェイン断ち生活をしてみて(この期間は緑茶や紅茶も飲んでいません)劇的な変化こそ見られませんでしたが、それでも多少なりとも変化は感じられましたので、これを機にコーヒーを飲む頻度を落としていって、できれば一杯も飲まない日が週に何日かとれたら御の字かなと思っています。普通のコーヒーをまた飲むようになってからまだ数日ですが、今のところ一日一杯だけにしていてデカフェも飲んでいないので、これを続け継続していければ以前のような狂った摂取量に戻ることなく生きていけるのではと思っております(笑)。
私は2003年に風邪をひいたタイミングで「このまま煙草やめてみようかな」と思い立ち、あっさり禁煙に成功して以後20年、一本どころか一口も吸わずに生きてこられたのでコーヒーをやめることも出来ないはずはないと思っています。
…が、コーヒーについては飲むのをやめたほうがいい理由だとか、やめることのメリットというのが煙草と比べて少ないため、100%のカフェイン断ちに向けてのモチベーションが上がりづらく、コーヒーを飲むのは一切やめました!というところまではおそらくいけないだろうなとも思っています。世界の情勢の変化でそもそも流通しなくなったり、またはたんぽぽコーヒーみたいな代替品が今よりも手軽に入手できるようになればまた話は別ですけどね。
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